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理系パパの育児学

理系脳の育児学

母乳を解凍する方法はどれがベスト?医学的に調べてみた。

母乳の解凍方法で栄養成分はどれくらい変わるのか?

母乳を僕があげたい。僕に母乳がでれば。そう思うパパさんは少なくないと思う。それくらい授乳はハードな仕事だし、代わってあげることができないことが非常につらいです。出産後、数か月荒れていき心と体がボロボロになっていくママさんはやはり見ているのはつらいものです。少しでも変わってあげたい。だけど、ミルクは宗教上の理由で使いにくい。そういう家庭も少なくないと思います。そこで、我が家も搾乳機を導入して母乳を冷凍し夜間に僕が子供に与えることを試みた時代がありました。しかし、その野望は搾乳機が痛いという妻の一言により崩れ去りました。しかし、その際の副産物として母乳の解凍方法と栄養の変化については少し勉強していたので、今後冷凍した母乳を赤ちゃんに与える時解凍方法はどれがベストかを考えていただく助けになれば幸いです。

なぜミルクではいけないのか?

なぜミルクではいけないのか?それは、母乳がミルクより圧倒的に優れているからです。WHOも母乳の次に与えるべきと推奨しているのは冷凍母乳でミルクは最下位です。これは母乳が免疫学的にも栄養学的にもミルクより圧倒的に優れている証明でもあります。これだけ科学が進歩しているにも関わらず越えられない壁となっているくらい母乳はすごいのです。

 

 

流水解凍、電子レンジ解凍、湯温解凍の解凍方法の違いを見てみる

今回紹介する論文は、搾母乳の解凍方法による免疫・栄養学的検討という論文で母乳を流水解凍、電子レンジ解凍、湯温解凍の3つの方法で比較しています。

解凍方法による免疫学的違い

母乳の免疫指標であるIgAは電子レンジ解凍、流水解凍で少し減少、湯温解凍により軽度上昇していました。また、脂肪分解などに働くリパーゼはすべての解凍方法で減少していました。

解凍方法による栄養学的違い

グルコース(糖質)は、すべての解凍方法で差はありませんでした。タンパク質は電子レンジと湯温解凍では増加していました。一方、コレステロール、脂質はすべての解凍方法で減少していました。

高温加熱の時間は短くしたほうが良い?

今回勉強した方法では加熱してもIgAが減少しなかったという結果でしたが、現在のところIgAが加熱により減少すると報告している論文が多いです。また、母乳中に含まれている脂肪を分解するために使われるリパーゼも減少することが分かっていますので母乳は40度以下の加熱で溶かすが最も栄養素を損なわず、赤ちゃんにベストな状態で提供できると結論付けられています。

最後に

直接母乳を与えるのがベストですが、ママさんの負担を減らすため搾乳などで冷凍保存して母乳を与えることは少なくありません。解凍方法は人肌までの加熱でゆっくり解凍して提供してあげると母乳のメリットをあまり失わずに赤ちゃんに与えることができることが分かっていますので少し時間がかかりますがそのようにして母乳を上げるようにしてみてはいかがでしょうか?

 

参考にした論文

搾母乳の解凍方法による免疫・栄養学的検討(原著論文)
細坂 泰子(東京慈恵会医科大学 医学部看護学科), 抜田 博子, 伊藤 文之, 石井 裕子, 大西 明弘, 磯西 成治
東京慈恵会医科大学雑誌 (0375-9172)127巻3号 Page105-112(2012.05)