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予防接種のヒブってどんな病気?髄膜炎を予防するためのワクチンです。

ヒブワクチンって聞き慣れない名前?

出産してから自分の母子手帳を見ることが増えた。自分の幼少時と息子を比較して買った負けたではないが楽しんでいる。そんな息子が生まれて2か月ついに予防接種、地獄のデスロードが始まった。そこで見慣れないものを目にしたヒブワクチン?僕が学生の時公衆衛生で習った時にはなかった名前だ。気になって調べたらどうやら最近義務化されたものらしいことがわかってきた、そしてヒブワクチンこりゃすごいと思ったので調べたことをまとめておきます。

ヒブワクチンって何?

インフルエンザ菌は、子どもたちに髄膜炎などの重症感染症と肺炎や中耳炎などの呼吸器感染症を引き起こします。インフルエンザ菌には、莢膜(きょうまく)という殻をもっているものと殻をもたないものがあります。莢膜をもっているインフルエンザ菌は、髄膜炎などの重症感染症を引き起こしやすい特徴があります。莢膜はA-Fまで6種類あります。特にインフルエンザ菌b型が最も強く、感染症の90%以上にかかわります。このインフルエンザ菌b型の頭文字をとったものがヒブ(Hib)です。

補足ですが、予防接種のインフルエンザはインフルエンザウイルスです。インフルエンザ菌とはちがうものです。

ヒブワクチン導入以前のヒブ感染症の疫学

ヒブが重症感染症を最も多く引き起こすのは、0-1歳の小さな了どもたちです、ヒブワクチンが導入される直前の2007-2008年の口本での小児細菌性髄膜炎に関する全国調査では、インフルエンザ菌(ヒブが主体)が髄膜炎の原因菌全体の約60%を占めていました。

ヒブワクチンのすごい効果

ヒブワクチンは、生後2か月の乳児にも十分な免疫をつけられるように工夫されたワクチンです。アメリカでは1987年にヒブワクチンが導入され、普及したことにより、ヒブ
感染症の思者数が1/100に減少したと報告されています。

ヒブワクチンは現在、世界100か国以上で使用されており、世界中の子どもたちが接種を受けた方がよいとされるワクチンの1つになっています。

日本におけるヒブワクチン

ヒブワクチン導入当初は、任意接種であったため接種率が伸びず、明らかな予防効果は認められませんでした。しかし、2011年から全国的に公費助成制度が導入され、大多数
の市町村で5歳未満の小児に対してヒブワクチンが無料で接種可能となり、ヒブワクチンは普及しました。
ヒブによる重症感染症疫学調査が行われていますが、この調査において、ヒブ重症感染症罹患一率は、2008~2010年では明らかな変化はありませんでしたが,2011年
以降低下傾向が認められています。報告によると35分の1にまでインフルエンザ菌による髄膜炎は減少したようです。2013年にはさらにヒブ重症感染症は減少し、ヒブによる髄膜炎がゼロとなった県も多く認められるようになっています。

ヒブワクチンの接種方法

日本におけるヒブワクチンの接種対象者は、生後2か月以上5歳未満の子どもで、推奨される接種開始時期は、生後2~6か月です。最初に4週間隔以上あけて(医師が必要と認めた場合には3週問隔でも可能)3回接種を行い、7か月以上あけて追加接種を1回行うことが標準的な接種スケジュールとなっています。

二次的な効果も期待できる

ヒブワクチンは接種した本人のヒブ重症感染症を予防するという直接効果のみならず、多くのこどもたちがヒブワクチンの接種を行うことで集団内のヒブの伝播が抑制され、感染症が減るという集団免疫効果も期待できるワクチンです。その意味からも、すべての了どもたちがヒブワクチン接種を受けることの意義が高いワクチンです。時期が来たら早めにスケジュールを組んで打つようにしましょう。

勉強した論文

【現場の予防接種を考える】 新しく導入されたワクチン ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンを巡る状況(解説/特集)
石和田 稔彦(千葉大学医学部附属病院 感染症管理治療部)
チャイルド ヘルス (1344-3151)17巻9号 Page618-621(2014.09)

2017年2月追記

ヒブ予防接種の効果、接種時期、副反応 Hibワクチンの効果、接種時期、副反応について教えてください

Hibワクチンの普及に伴い、わが国におけるHib侵襲性感染症罹患率は2011年には髄膜炎で前年比57%、非髄膜炎で41%、2012年には髄膜炎で92%、非髄膜炎で82%と大幅な減少しています。Hib侵襲性感染症のなかでも、髄膜炎は乳児期に多く認められるため、初回接種は2ヵ月齢から開始することがすすめられます。重篤な副反応を呈することはまれで、他の不活化ワクチン同様安全に接種可能です。

追加接種の時期はいつがよいでしょうか?

Hibワクチン初回接種終了後に獲得した防御抗体は徐々に減衰していきます。

追加接種の対象である1歳代は、0歳代と並ぶHib髄膜炎の好発年齢でもあるため、追加接種が未完了の場合髄膜炎発症のリスクが高くなります。

追加接種は初回接種終了後7ヵ月の間隔をあければ行うことができるため、1歳を過ぎたらできるだけ早期に接種することがすすめられています。

今後Hib以外の菌に対するワクチンはできる予定があるのでしょうか?

Hib以外の菌に対するワクチンとしては、すでに無莢膜型インフルエンザ菌を結合蛋白として使った10価の肺炎球菌ワクチンが海外で実用化されています。他には、B群溶連菌、A群溶連菌、無莢膜型インフルエンザ菌などで作成が試みられているが、実用化にはまだ時間がかかりそうです。