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理系パパの育児学

理系脳の育児学

母乳とミルクの違いを栄養面から解説します。

ミルクはどうやって作られる?

人工乳は母乳の成分に近づくように牛乳成分を調整し、新生児でも消化吸収が可能になるように作られた加工品です。以前にくらべると消化吸収に良いペプチドタンパクなど以前に比べて進化しています。

母乳は実は赤ちゃんにあわせて進化する。

母乳の成分は、赤ちゃんの月齢・環境に応じて変化し、母乳の風味はお母さんの食生活によって変化することが知られています。だからと言って、食べてはいけないものがあるわけではありません。今回は母乳に含まれる栄養素について勉強したので育児をこれから始めるママさんに向けて知識をシェアしたいと思います。

参考記事

好きなモノを食べれない妻のために食事と母乳について調べた - 理系パパの育児学

 

蛋白質

母乳中の蛋白質プロテインなどでおなじみの乳清成分のホエイと熱で固まるカゼインの2つに分けられます。ホエイには、ラクトフェリン免疫グロブリン・リゾチームといった免疫に関与する物質が多く含まれます。これらは、赤ちゃんを感染から守り免疫を育てていくための蛋白質です。ホエイ対カゼインの比率は、初乳と成乳とで異なります。また、母乳中の蛋白質は赤ちゃんの栄養となる成分がミルクよりも少ないのです。これは、ミルクは母乳に比べて消化吸収がよくないため、それを計算して多く配合しているからです。ミルクに比べて母乳は、効率良く消化吸収されています。

タウリン

リポビタンDで有名なアミノ酸の一つのタウリンは、新生児の必須アミノ酸と考えられています。タウリンは母乳には多量に含まれますが、牛乳には少ないです。そのため、ミルクにはタウリンが添加されるようになりました。タウリンは発達全般における生理作用と腸管膜の安定化に関与しています。

カゼイン

母乳に含まれるカゼインは胃内で酸性となり、軟らかいカード(ソフトカード)を作り、容易に消化されます。しかし、牛乳に由来するカゼインは粗く硬いカードを形成し、消化に多くのエネルギーを必要とします。

β-ラクトグロブリン

β-ラクトグロブリンは、牛乳中のホエイに最も多く含まれる蛋白質です。母乳には含まれていません。牛乳のβ-ラクトグロブリンは、乳児にとって抗原性が高くアレルギーの原因物質でもあります。幼児の牛乳アレルギーなどはミルクが関与している可能性も指摘されています。

脂肪

母乳と牛乳との違いの一つとして、脂肪酸組成があります。母乳では長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)が多いのですが、牛乳では飽和脂肪酸が多いです。

ビタミン・鉄

この他、母乳よりも人工乳に多く含まれるものに、ビタミンD・ビタミンK、そして鉄があります。ビタミンDやビタミンKは脂溶性ビタミンに属し、母乳でも脂肪の中に含まれます。脂肪分の多い後乳を赤ちゃんにしっかりと飲ませなければ、ビタミンDやKは容易に不足してしまいます。もちろん、ビタミンKは1っか月検診で補足しなければなりませんし、海外ではビタミンDも母乳で育っている赤ちゃんに補足するようにしている国も少なくありません。まず、お母さん自身のビタミンDを整えておくことが重要になります。しかし、ある調査では半分のママさんはビタミンD欠乏状態でした。ママさんがビタミンD欠乏であれば当然、あかちゃんもビタミンD欠乏になります。出来れば妊娠中からビタミンDを取り入れるようにしていきましょう。

最後に

ミルクは母乳に劣ることは事実ですが、日々進化していますし、寝かせるために使うなどうまく使うと育児がぐっと楽になります。完全母乳はやはり睡眠と身を削ります。ミルクはダメ、使うことによる罪悪感を抱くというよりは足りないものを補うなどの考え方で対応していくのがいいんじゃないかな?と僕は思います。

勉強した論文

【Dr.水野に学ぶ エビデンスに基づいた母乳育児~母乳育児は山登りと同じ~】 登山ガイドになるための準備 母乳育児の必要知識を押さえる(解説/特集)
水野 克巳(昭和大学江東豊洲病院 小児内科)
 ペリネイタルケア (0910-8718)35巻3号 Page221-227(2016.03)