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理系パパの育児学

理系脳の育児学

赤ちゃんは日光浴すべき?今の医学の考え方をまとめます。

発育について

日光浴は?と言われることがある。

赤ちゃんを実母、義母などにみせにいくといつも育児常識の時代錯誤に遭遇することが多い。ミルクを足せ、もち米は母乳に悪い、チョコレートも良くないなど色々言われ、助産師さんと言ってることが異なり、混乱するパパ、ママさんが多いんじゃないでしょうか?今回は、「日光浴したらいい」とある人に言われたのですが、今ベビーカーもUVカットを推してきている以上僕は紫外線については推奨されないのではないか?そう思って赤ちゃんと紫外線について調べてみました。

かつて母子手帳で日光浴は推奨されていた。

実は、母子手帳に1998年まで日光浴という言葉は載っていました。しかし、紫外線の影響などが分かってきて今では家の外の空気に触れるという意味の外気浴という言葉に代わっています。

紫外線の種類

紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類があります。

  • UVA 紫外線の中で最も波長が長い紫外線です。波長が長いため表皮のみならず、真皮という皮膚の深い部分まで到達します。また、窓ガラスを通過する紫外線です。日焼け止めのPAという表記がUVAの防御能力の指標になります。
  • UVB 紫外線の中で中間の波長をもつ紫外線です。波長はUVAと比べ短く、到達するのは表皮までですが、力はUVBのほうが強いです。UVAと違い窓ガラスは通過できません。日焼け止めのSPFという表記がUVBの防御能力の指標になります。
  • UVC 波長が最も短く、最も力が強い紫外線です。しかし、オゾン層で吸収され地表には到達しません。工場の紫外線殺菌などで使われる紫外線です。

紫外線の障害の種類

紫外線の影響は急性のものと慢性のものに大きく分けることができます。

急性期障害

日焼け 

日焼けには実は2種類あり、紫外線を浴びて数時間で赤くなる日焼けのサンバーン(UVBの作用)と数日後から起こる黒くなる日焼けサンタン(UVAの作用)の2種類があります。

免疫力低下

皮膚の免疫を担当する細胞の働きを鈍らせて、皮膚の免疫が低下します。海水浴に行った後口唇ヘルペスが起きた経験があるひともいるのではないでしょうか?免疫が低下するというと非常に聞こえは悪いですが、実は医学的にはアトピー性皮膚炎の治療に紫外線照射治療は保険適応されていたりするので一概に免疫低下が悪いとは言いにくいのが現状です。

慢性障害

シミ、シワ

紫外線による活性酸素の影響でDNAの損傷、コラーゲンの変性などの光老化といわれるものが起きます。

皮膚がん

紫外線を浴び続けると60歳以上で日光角化症という前がん病変が出現する可能性があります。(しかし、今では日光角化症は保険適用の塗り薬で治療できます。)

推奨される外気浴の方法

  • 最初は室内で5~6分窓を開けて外気に慣らす。そして、戸外に出て5~6分から徐々に時間を延ばしていきましょう。
  • 直射日光を浴びるのは避け、できるだけ3時間以内で早めに帰りましょう。
  • お散歩は30分以内にしましょう。
  • 紫外線は、曇りの日も降り注いでいるので注意しましょう。

紫外線防御の仕方

紫外線防御は日焼け止めを使用することです。乳幼児にはSPF20以下で無香料、無着色の日焼け止めが推奨されています。衣服、帽子、肌や眼を紫外線に露出しないことが大切です。

補足 SPF20と50の違い

SPFはUVBの防御能力ですが実は数値が高ければいいものというものではありません。SPF赤くなる時間をどれだけ伸ばせるかという数値です。

例 10分で赤くなる人

SPF50の場合 10*50=500分

SPF20の場合 10*20=200分

となりますが、汗で落ちたりするので実際にはそれよりも短くなります。SPF50を1回塗るより、多少手間ですがSPF20を間隔をあけて3回塗ったほうが防御力は高いです。

過剰な防御にご用心

紫外線は確かに発がん性などを引き起こします。しかし、骨代謝などに関係するビタミンDの活性化に紫外線は必要不可欠です。過剰な紫外線防御によって子供のくる病の発症の報告も増えていますので、紫外線についてあまり怖がらないことも大事だと思います。

まとめ

紫外線はマイナス面が最近は強調されていますが、赤ちゃんにとってプラスに働く面も少しはあります。紫外線から守ることは大事ですが、過剰になりすぎるのも少し違う気がしました。

参考にした論文

乳幼児の紫外線ケア 将来の光老化、皮膚がん予防のカギ(解説)
市橋 正光(再生未来クリニック神戸)
 小児科臨床 (0021-518X)67巻6号 Page1073-1083(2014.06