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理系パパの育児学

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おたふくかぜの予防接種は受けたほうがいい?実は定期接種になっていない国は日本だけです。

予防接種

おたふくかぜってどんな病気?

おたふくかぜはムンプス、流行性耳下腺炎とも呼ばれ、パラミクソウイルス科ルブラウイルス属に属するムンプスウイルスによるウイルス感染症です。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は通常16~18日です。2017年現在、おたふくかぜワクチンは、任意接種のため接種率は30%程度と低く、4年ごとの流行を認めています。

おたふくかぜの症状

おたふくかぜの特徴は、おたふくという名前の通り、耳の下あたりにある耳下腺が腫れる急性耳下腺腫脹です。症状が出現する顕性感染率は70%くらいとされています。しかし、1歳児では20%と低いですが、4歳を越えると90%とかかる年齢により幅が大きいことも特徴です。

まれではありますが、おたふくかぜは合併症を起こします。無菌性髄膜炎(3~10%)、脳炎(0.3%)、難聴(0.25%)などが起こると重症になりやすいです。

いずれの合併症も発症時の年齢が高くなるほど発症率が増加するといわれていますので予防接種は受けておいたほうがいいと思います。

思春期以降の人がおたふくかぜを発症すると、成人では精巣炎、女性では乳腺炎や卵巣炎を合併することがあり、不妊の原因などにもなることがあります。

世界的にはおたふくかぜの予防接種はどうなってるの?

多くの先進国や経済興隆国ではおたふくかぜワクチンは定期接種となっており、先進国でおたふくかぜワクチンが定期接種となっていないのは日本だけです。

おたふくかぜワクチンの効果

流行時の効果

日本で接種されているおたふくかぜワクチンの有効率は、1回接種では80~90%と高いです。星野株と鳥居株の2つのワクチンが販売されていますが有効率はほぼ同等ですのでどちらでも問題ありません。

集団での効果

おたふくかぜワクチンを1回定期接種しているヨーロッパの国では、ムンプスの患者数が90%減少し、2回定期接種している国では、ムンプス患者数は99%減少しています。しかし、2回定期接種をしている国でも、時にムンプスの流行しているので油断できない感染症です。もちろん任意接種の日本よりは流行の頻度は当然低いです。

一部の市町村では補助が出ています

一部の市町村でおたふくかぜワクチンの公費助成があります。液晶で名をはせた三重県亀山市では平成20年度から公費助成によるおたふくかぜワクチンの接種を行い、1歳児の平成20年度から24年度までの平均接種率は74.4%まで上昇しました。その結果、亀山市の医療機関からの平成20年から25年までの平均おたふくかぜ報告数は、平成11年から平成19年までの平均報告数と比べると87%減少しています。

ムンプスワクチンの副反応

ワクチン接種は弱毒化したウイルスを使いますので

耳下腺腫脹

ムンプスワクチン後の耳下腺腫脹率は3%と言われています。しかし、調査では、1歳時に接種したときが、一番副反応の耳下腺腫脹率がでる可能性が低く、接種時の年齢が上がるにつれ耳下腺腫脹率が増加している傾向があるとされています。

無菌性髄膜炎

おたふくかぜワクチンの副反応として最も問題となるのは、無菌性髄膜炎です。無菌性髄膜炎発症率は1/60000~120000といわれています。
おたふくかぜワクチンが三重県で接種した年齢群の割合で、全国接種が行われたと仮定すると、1歳児の無菌性髄膜炎発症率は1.3/1000000接種と一番低く、接種時の年齢が高くなるほど無菌性髄膜炎を合併する頻度が上昇し、10~19歳の無菌性髄膜炎発症率
は66.9/1000000接種と予想されています。

副反応はまれですが、報告によると、1か月以内に症状が出ることがあるので、おたふくかぜワクチン接種後は1か月は注意するようにしましょう。

まとめ

おたふくかぜワクチンが定期接種化されていないのは日本だけです。また、1歳が最も安全に接種できる時期のようですので、なるべく早めに現在は任意接種ですが受けるようにしたほうがいいと思います。

勉強した論文

【予防接種と感染症の変化】 おたふくかぜワクチンの効果と副反応 2回接種の必要性(解説/特集)
庵原 俊昭(国立病院機構三重病院 小児科), 落合 仁
日本小児科医会会報 (0912-1781)49号 Page55-60(2015.04)