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肺炎球菌の予防接種?2013年から定期接種化されて髄膜炎予防に効果がアリ!

自分たちが子供のころ肺炎球菌ってあったっけ?

予防接種のスケジュールを見ていてふと気が付きました。肺炎球菌?こんなんあったっけ?と思ったら2011年デビューの2013年定期接種化されたワクチンでした。肺炎球菌ワクチンはなぜ定期接種になったのか?感染症の動向が気になったので調べました。

肺炎球菌ってどんな病気?なぜ予防接種がいるの?

ほとんど全ての肺炎球菌は爽膜という免疫からのがれるための機構を持っています。(爽膜がある=たちが悪いというイメージです。)また、肺炎球菌のバリエーションは90種類以上あり、小児から成人に至るまで幅広い年齢層に髄膜炎や肺炎などを引き起こします。

ワクチン実は2013年にバージョンアップしています。

日本では2013年まではPCV7という髄膜炎を起こしやすい7種類の肺炎球菌(血清型:4、6B、9V、14、18C、19F、23F)に対して予防効果があるワクチンが使用されてきました。

PCV7導入前の日本では、小児細菌性髄膜炎の原因菌として肺炎球菌は2番目に多く、全体の約20%を占めていました。

たしかに、PCV7に含まれる肺炎球菌による髄膜炎、肺炎入院例が減少したことや肺炎球菌による中耳炎の罹患率が低下したことが報告されています。

しかし、さらなる改良を加え、より多くの肺炎球菌感染症予防に対応する、肺炎球菌のバリエーションを13種類まで増やしたPCV13が開発されました。日本では、2013年からPCV7に切り替わる形でPCV13が導入されています。

肺炎球菌ワクチンの接種方法

日本の肺炎球菌の予防接種対象は生後2カ月~6歳未満です。

推奨される接種開始時期は生後2カ月から、4週間隔以上あけて3回行い、生後12~15カ月に追加接種を1回行うというスケジュールになっています。

肺炎球菌感染症と血清型の変化

肺炎球菌感染症は減少してきているものの、Hibワクチンが効果を発揮している侵襲性インフルエンザ菌感染症ほど劇的な減少はありません。(十分減少しているのですがHibと比べると見劣りします。)これは、肺炎球菌のバリエーションが多くて変化していることが原因です。

髄膜炎は減ってきています。

細菌性髄膜炎の原因菌は、Hlbワクチン、肺炎球菌結合型ワクチンが導入されるまでは、ずっとHlb、肺炎球菌が第1位、第2位という順番でした。しかし、2011年公費助成制度が導入され、2013年から定期接種化されたことにより、Hib、肺炎球菌髄膜炎は減少しています。

まとめ

肺炎球菌の予防接種については65歳以上のテレビCMが流れていたので高齢者の肺炎予防目的で行われるものだと思っていました。しかし、5年前の2011年から子供向けに予防接種が開始されたということを知ると予防接種は自分たちが子供のころと全然違うなということを感じます。

勉強した論文

肺炎球菌感染症の今日的話題】 肺炎球菌ワクチン 蛋白結合型ワクチン 小児(解説/特集)
菅 秀(国立病院機構三重病院)
 臨床と微生物 (0910-7029)43巻4号 Page345-349(2016.07)

2017年2月追記

予定された接種時期からずれた場合の対処はどのようにすればよいでしょうか?

接種を開始した月齢における残った回数を、しっかりと接種することが望ましいとされています。

予防効果の持続期間はどのくらいでしょうか?

5~7年は免疫原性が持続するとされています。

60日以上の接種間隔が必要なのはなぜですか?

免疫記憶を効果的に発揮するには一定期間をあけて接種する必要があり、抗原刺激を受けた免疫細胞のメモリーB細胞産生数が最大に達するのが60日程度であることから、60日以上必要とされています。

追加接種を生後12~15ヵ月に受けなかった場合、その後の接種を公費負担で受けられますか?

公費による接種(公費助成)となるかどうかは、自治体の判断に委ねられています。

標準接種スケジュールでの追加接種を生後12ヵ月未満で行ってしまった場合、どのように対処すればよいでしょうか?

健常児の場合は、ワクチンによる免疫は十分についていると考えられ、多少免疫の持続期間が短くても、肺炎球菌感染症の好発年齢におさまるため、5回目の接種は必要ないと考える。ただし、免疫不全児の場合は、4回目の接種から60日以上および1歳を超えてから、5回目の接種をすることをすすめる。

ニューモバックス接種済みのハイリスク児に対して小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)の接種は可能ですか 可能な場合、接種間隔はどのくらい必要ですか?

米国のスケジュールでは、ニューモバックス接種後2ヵ月経過でプレベナーを2回接種することになっている。しかし、ニューモバックスは不活化ワクチンであるため、日本では1週間経過すればプレベナーを接種可能です。

接種回数を重ねると副反応の発現頻度が高くなるのですか?

初回免疫では接種回数により副反応が増加するという報告はないが、免疫機能が成熟してくる1歳以降の追加接種では副反応の頻度が増加する傾向があるようです。

接種を反復することにより抗体価はどのように推移しますか?

他の不活化ワクチンと同じように1回接種後、2回接種後、3回接種後と回数を重ねていくほど抗体価は上昇する。追加接種(4回目)の前にはやや減少しますが、4回目の接種で抗体価は3回目接種後よりさらに上昇することがわかっています。

抗体価と予防効果に関連性はありますか?

肺炎球菌莢膜の抗原性により、獲得できる抗体濃度は異なります。国内臨床試験では各抗原に対して侵襲性肺炎球菌感染症に対する予防閾値以上の抗体が獲得されており、有効性が期待できます。