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理系パパの育児学

理系脳の育児学

【母乳都市伝説】甘いものを食べると母乳がつまるは科学的に正しいのか?

妻が甘いものを食べるのを控えていた。

妻は母乳を非常に気にしている。気にするのは大切で重要なことだと思うがはたから見ているといささか気にしすぎているようにも見える。特にケーキなど甘いものを食べると母乳に良くないという本当か嘘か定かではない都市伝説に多くのママさんたちも苦しんでいるようなので今回は甘いもので乳腺が詰まるのは本当か嘘かについて調べてみた。

乳腺の構造と脂肪の大きさ

母乳が出る乳管の太さは、乳頭に近い部分では約2mm(2,000μm)といわれています。まことしやかに「チョコレートなどの脂肪分の多い食事を取ると乳管が詰まる」ともいわれますが、母乳中の脂肪は球状で、径は2 〜 10μmで乳管の太さの1000分の1から200分の1と十分に小さいです。授乳後半に分泌される後乳になると脂肪含量が増えますが、これは脂肪球が大きくなるわけではなく、数が増えます。

食事によって脂肪の数が変わるということはなく、理屈から考えれば、何を食べても「乳管が詰まりやすくなる」というのは考えにくいです。

相性の悪い食べ物があるママさんもいます

ある食べ物を食べると決まった部分の乳管が閉塞すると訴えるママさんもいますので、注意が必要です。しかし、食物以外が原因である可能性も十分あるということは知っておいてほしいです。

知っておいてもいい都市伝説

これは都市伝説の域を出ませんが、知っておいて損はない知識を紹介します。いつも決まった乳管が繰り返し詰まる場合、レシチンを取る、その乳管に電動歯ブラシの柄の方をしこりから乳管の方に移動させながら振動(本来は超音波)を与える、などするとよいといわれています。

レシチンとは?

レシチンは母乳中の全脂肪酸に対する多価不飽和脂肪酸の割合を高め母乳の粘度を下げると考えられています。カナダの小児科医Newmanは「安全なものでもあり試してもよいでしょう。効果がある女性はいます」と述べています。量は1日に、1,200mgを3 〜 4回(計3,600 〜 4,800mg)摂取します。1 〜 2週間症状が出なければ、1日1回減らします。2週間ごとに1回ずつ減らしていくといいといわれています。

最後に

甘いものを食べすぎるから乳腺が詰まるは科学的根拠を欠く都市伝説だと僕は思いますし、好きなものを食べることを我慢することでストレスを抱え込むほうが育児にとってはマイナス影響が大きいと思います。授乳中にアルコールを飲むことでさえ、アメリカでは我慢するほうがリスクが上がる(決して飲んでいいと、飲んでも影響がないということではなく、アルコール中毒の人に無理に中断させ、ストレスを与えるほうが育児に良くないという意味です。)と言われていますので、我慢が苦痛ならご褒美が必要そう僕は思います。

勉強した論文

【Dr.水野に学ぶ エビデンスに基づいた母乳育児~母乳育児は山登りと同じ~】 登山者の思い込み・不安を解消しよう 母乳育児にまつわる都市伝説を検証する(解説/特集)
水野 克巳(昭和大学江東豊洲病院 小児内科)
ペリネイタルケア (0910-8718)35巻3号 Page269-274(2016.03)