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理系パパの育児学

理系脳の育児学

卵アレルギーについて。インフルエンザの予防接種していいの?など解説

アレルギーについて

離乳食開始前に卵アレルギーを調べるべきか?

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卵アレルギーの子供が多いという話をよく聞きます。Twitterみていると悩まれているママさんもちらうちも離乳食を始めるにあたって調べておくべきかどうか?なども気になりました。そこで今回は卵アレルギーについて勉強しましたのでまとめておきます。

卵アレルギーとは?

鶏卵は食物アレルギーの原因として最も頻度が高い食品です。小児期の即時型食物アレルギー(じんましんなど接種後30分くらいで出てくるアレルギー)の原因食物で鶏卵はなんと約1/3を占めています。

卵アレルギーは約半分の子が5歳までに治ります。

大人で卵アレルギーの人ってあまりいません。報告によると5歳までに卵アレルギーの子供の約50%が、耐性を獲得すると報告されています。つまり、除去をまん然と継続することは避けて、定期的な評価により耐性の有無を確認して、早期に除去解除をはかるようにすることが大切です。

卵の栄養学的組成

卵の平均の重さは約60グラムで卵白が30グラム、卵黄が20グラムです。卵白の88%は水分で、残りの大部分は40種類以上のタンパク質からできています。卵黄は、50%の水分と33%の脂質、16%のタンパク質とわずかな炭水化物でできています。卵アレルギーの主な原因物質は卵白に多く含まれています。

卵白の中に含まれるアレルギー物質

卵白中の主なアレルギー物質は

  • オボムコイド 熱で凝固しない 水溶性 消化に安定
  • オボアルブミン 熱で凝固 消化に不安定
  • オボトランスフェリン
  • リゾチーム 風邪薬にも含まれているので注意

です。

最も多く含まれているオボアルブミンは加熱されると変性してアレルギーを起こしにくくなります。オボムコイドは、加熱しても変性や凝固せず、消化酵素にも安定なため加熱してもアレルギーを起こしやすいのが特徴です。オムレツなど加熱処理した卵料理でアレルギーを起こさない場合は、オボアルブミンによるアレルギーの可能性が高くなります。

卵アレルギーの検査方法

卵アレルギーを検査する方法は

  • 血液検査
  • 皮膚テスト
  • 経口チャレンジテスト

などがあります。血液検査は生後2から3か月の時は陽性になりにくいことが分かっています。確定診断は、腕にプリック針を押し付けてその上に卵アレルギー検査試薬を落とすプリックテストで確定診断を行います。

卵アレルギー原因物質が加熱処理でどれくらいかわるか?

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鶏卵のアレルゲン性はおもに卵白に存在します。しかし、卵黄が使用された食品に混入する卵白の影響でアレルギーを起こすことが多いです。鶏卵は、加熱調理によりアレルギーを起こしにくくなりますが、調理条件によりアレルゲン性の低下の仕方が異なるので注意が必要です。

完全に余談ですが、卵ボーロ1個に含まれるオボアルブミンの量は固ゆで卵よりも多いです。

加工食品の見方

  • 代替表記
    「卵」以外の書き方が認められています。たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、タマゴ、玉子、エッグ」と表記されます。
  • 特定加工食品
    卵が含まれていることが明白な場合は、「卵」と表記しなくていいとされています。
    例)マヨネーズ、かに玉、親子丼、オムレツ、目玉焼き、厚焼き卵、オムライス
  • 卵殻カルシウム
    表記されるのは未焼成卵殻カルシウムで、微量の卵タンパク質の混入はあり得ます。お菓子に使用されることが多く、法律により卵白アルブミンを測定すると製品1g中に10μg程度検出されることがあるため、表示されることがあります。しかし、通常は症状を起こさずに食べることが可能です。
  • レシチン
    多くは大豆由来の乳化剤ですが、一部は卵黄由来のものもあるので注意が必要です。

予防接種、ワクチンは大丈夫?

卵成分が関連するワクチンは麻疹・風疹混合(MR)、麻疹おたふくかぜ、インフルェンザ、狂犬病および黄熱病があります。

MR、麻疹ワクチン、おたふくかぜはニワトリ胚培養細胞(風疹はウズラ胚またはウサギ腎臓培養細胞)を用いた組織培養に由来したものであり、卵白タンパク質と交差反応性がありますが、いずれもきわめて少ないことから、卵アレルギーであっても接種可能と言われています。

インフルエンザワクチンは、A型、B型ウイルス株を個別に発育鶏卵で培養したあとに不活化したものです。予防接種ガイドライン2014年版では「卵白特異的IgE抗体が陽性でも、卵加工食品を食べても無症状である児では、接種後の鶏卵アレルギーによる重篤な副反応の報告はない。鶏卵アレルギーのため、鶏卵完全除去中や鶏卵摂取後にアナフィラキシーを起こした病歴がある児など、接種可否の判断が困難な症例の場合は専門施設へ紹介する」と書かれています。

勉強した論文

【実地臨床に役立つ食物アレルギーの最新情報】 食物アレルギー各論 卵(解説/特集)
小島 博之(東小岩わんぱくクリニック), 下条 直樹
小児科診療 (0386-9806)78巻9号 Page1205-1211(2015.09)